既存住宅の住宅性能表示制度

せっかく建てた一軒家を良い状態で長く保持したい場合、定期的なメンテナンスと目立った損傷箇所を改修すること、早期発見をすることが望ましいと思います。しかし、われわれ素人にとっては、目立ったところ(ひどくなった場所)しか発見できないのではないでしょうか。そこで利用したいのが「既存住宅の住宅性能表示制度」です。
これは、平成12年施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(通称:品確法)に基づくもので、当時は新築物件がその対象だったのですが、平成14年にその範囲が拡張され、既存住宅にも適用されるようになりました。
内容は「一定の基準に沿って、家の状態を専門家(評価員)が評価・判定し"住宅性能評価書"を発行する」というものです。
評価員は国土交通省認定の機関に所属していますので、身元はしっかりしていますし、第三者の意見なので、客観的に、しかも専門家の意見なので信頼性や適切な改善箇所を指摘してもらえます。

補助制度

耐震やバリアフリーの場合、お住まいの地方公共団体によって補助制度を設けていることがあります。
また、介護に必要なリフォームの場合は、介護保険から費用が支給されることがあります。他にも、身体の不自由な方が住むために必要な工事にも、補助制度が適応されます。(限度額20万円で1割の自己負担)
融資の場合も、地方公共団体や金融機関によっては行っているところもありますので、条件や金利についてなどを問い合わせましょう。他にもお住まいの区域独特の補助制度が存在します。
例えば神奈川の厚木飛行場周辺地域を対象とした住宅防音工事の場合は、国の定めた方法で防音工事を行うと、国が費用を負担してくれるというものがあります。

玄関ドアのリフォーム

住まいの顔となる玄関は、第一印象を決める大きなポイントです。外観全体のイメージと統一を図りながら、個性を表現するドアを選びたいものです。和風住宅なら伝統工芸的な引き戸、モダンな洋風住宅ならデザイン性に富んだ金属製ドアといった具合に、ドアの材質・デザイン・カラーを選びましょう。
玄関ドアには片開き・親子・両扉・引き戸の4タイプがあり、材質は主に金属製と木製の2種類に分けられます。金属ドアは耐久性・耐候性に優れた「アルミ形材」や、ビルのドアなどにも使用される堅牢な「コート鋼鈑」、腐食に強く光沢感の有無が選べる「ステンレス」などがあります。
一方、乾燥処理と表面にウレタン塗装が施されているため耐水性・耐摩擦性に優れている木製ドアは、無垢材が主流となっています。また、玄関が北側にあって薄暗い場合には、ガラス入りタイプを選んで光を取り入れることもひとつの方法でしょう。

屋根リフォーム

屋根を葺き替える際、現在の屋根材から違うものに替えたいと思うこともあるでしょう。しかし、屋根勾配によっては、違う屋根材に変更できない場合があります。
屋根の勾配は「○寸勾配」で表します。これは3角形の屋根の底辺に対して、頂点までの高さの比率を寸で表したものです。たとえば、4寸勾配は底辺が10のときに高さが4になります。屋根材ごとの最低必要勾配は、金属葺きで1寸勾配以上、スレート葺きで3寸勾配以上、瓦葺きで4寸勾配以上が必要です。
屋根材ごとに必要な勾配が異なるのは、それぞれに吸水率が違うからです。瓦の吸水率は20%、化粧スレートは9%、トタンなら0%です。
瓦は他の屋根材よりも雨水を多く吸収するので、勾配を大きく設計しなければ雨が流れません。もし、2寸勾配などの緩い勾配にすると、瓦と瓦の間から雨が吹き込んでしまいます。つまり、既存の屋根が金属やスレートなら瓦に葺き替えられない可能性もあるというわけです。